睡不著的夜晚:失眠的人可以怎麼做

眠れない夜に:眠れないとき、できること

夜中の1時。寝返りを打つのは、もう10回目。部屋はとても静かなのに、頭の中はにぎやかです。明日の朝の会議、まだ返していないメッセージ、言うべきか迷っているひと言。それらが代わる代わる浮かんできます。スマートフォンで時間を見て、「いま眠れば、あと5時間は寝られる」と計算する。もう一度見ると、あと4時間半。計算すればするほど、目がさえていきます。

こんな夜に覚えがあるなら、あなたはひとりではありません。不眠はとてもよくある悩みです。そしてうれしいことに、不眠は理解することができ、よくしていくこともできます。

たまに眠れないのと、長く続く不眠はちがう

ストレスが大きいとき、環境が変わったとき、長いフライトのあとなど、よく眠れないのはごく自然なことです。こうした一時的な不眠は、生活がいつもの調子にもどれば、たいてい少しずつよくなります。

医学でいう「慢性不眠」は、おおよそ次のような状態です。週に3晩以上、寝つけない、夜中に目が覚めてから眠れない、または早く目が覚めてしまう。それが3か月以上続き、昼間の元気や気分、仕事にまで影響している。

この2つを見分けることが、睡眠をいたわる第一歩です。たまの不眠なら、心配しすぎなくて大丈夫。長く続く不眠なら、きちんと向き合う価値があります。

なぜ眠れなくなるのか

睡眠は、2つの力によって動いています。

1つ目は「睡眠圧」。朝起きたときから、起きている時間が長いほど、体にたまる眠気は強くなり、夜には自然と眠くなります。でも、昼間に長く寝たり、朝寝坊したり、早くから布団に入ったりすると、この眠気がうすまってしまい、夜にかえって眠れなくなります。

2つ目は「体内時計」。体は、光や毎日の生活リズムから、いつ起きていて、いつ休むべきかを判断しています。朝に日の光を浴びると、体内時計は一日のはじまりを知ります。夜にまわりが暗くなると、体は眠る準備を始めます。生活リズムが不規則だったり、夜遅くまで明るい画面を見ていたりすると、この時計のリズムがくずれてしまいます。

そして、不眠を長引かせるのは、たいてい3つ目のこと。「気をはりすぎること」です。「今夜もまた眠れないかも」と心配しはじめると、脳は警戒モードに入ります。眠ろうとするほど力が入り、力が入るほど目がさえる。そのうち、ベッドは休む場所ではなく、不安になる場所に変わってしまいます。

いま、いちばんすすめられている方法

アメリカ内科学会とアメリカ睡眠医学会は、どちらも「不眠症の認知行動療法」(CBT-I)を、慢性不眠の第一の治療法としてすすめています。睡眠薬よりも先に、です。これはひとつのテクニックではなく、体と脳がもう一度眠り方を覚えなおすための、ひとまとまりの方法です。その多くは、ふだんの生活の中で練習を始めることができます。

起きる時間を決める。 前の晩によく眠れなくても、毎日同じ時間に起きましょう。週末も同じです。寝る時間よりも、起きる時間をそろえるほうが大切です。起きる時間は体内時計の毎日のスタート地点で、夜にきちんと眠気がたまることにもつながります。

眠くなってから、布団に入る。 時間が来たから横になるのではなく、まぶたが重くなって、あくびが出はじめてから布団にもどりましょう。

ベッドは、眠るためだけの場所に。 ベッドの上でスマートフォンを見たり、仕事をしたり、ドラマを見たりしないようにします。脳に「このベッドに横になったら、眠る時間だ」ともう一度覚えてもらうためです。

眠れなければ、起きてみる。 しばらく横になっても(20分くらい。感覚でよく、時計を見る必要はありません)目がさえているなら、いったんベッドを出ましょう。明かりを落とした場所で、軽い本をめくったり、やさしい音楽を聴いたり、静かなことをします。眠気がもどってきたら、またベッドにもどりましょう。

朝は光を、夜は暗さを。 起きたらカーテンを開けるか、外を少し歩いて、日の光で体に新しい一日のはじまりを伝えましょう。夜は明かりを暗めに、あたたかい色にして、寝る1時間前にはなるべくスマートフォンを置きましょう。

カフェインとお酒に気をつける。 カフェインは体の中で何時間もはたらきつづけ、感じやすさも人それぞれです。睡眠に影響が出やすい人は、午後からは量を減らすのがおすすめです。お茶、コーヒー、チョコレート、一部の炭酸飲料にもカフェインが含まれています(お茶のカフェインについては「カフェインガイド」をご覧ください)。お酒は寝つきをよくするように感じても、夜の後半の眠りを浅くし、目が覚めやすくなります。

昼寝は短く、遅すぎないように。 昼間にどうしても休みたいときは、20〜30分の昼寝で十分です。できれば午後3時までにしましょう。

悩みごとは、夕方に置いていく。 夕食のあと、寝る前までのどこかで、15分だけ時間をとりましょう。心配なことを書き出して、そのとなりに次にできることを書きます。書き終わったら、ノートを閉じます。悩みごとにはもう置き場所ができたので、ベッドまで持っていかなくて大丈夫です。

時計を裏返す。 夜中に目が覚めても、時間は見ないようにしましょう。「あと何時間眠れる」と計算する回数がひとつ減れば、不安もひとつ減ります。

CBT-Iには、「睡眠制限法」というとても効果的な方法もあります。ベッドにいる時間を一時的に短くして、眠気を集中させ、眠りを深くしてから、少しずつ時間をもどしていく方法です。ただ、はじめの1〜2週間は昼間に疲れやすくなり、誰にでも合うわけではありません。医師や専門の訓練を受けた心理士のもとで行い、自分だけで試すのはやめましょう。

今夜から試せる、リラックスの練習

体がゆるむと、眠りは近づきやすくなります。ここでは、おだやかなリラックス方法をいくつかご紹介します。合う方法は人それぞれなので、いろいろ試して、自分に合うものを見つけてください。

漸進的筋弛緩法。 あおむけになり、まず両足から。足の筋肉にぎゅっと力を入れて5秒キープし、それからいっきに力を抜いて、ゆるんでいく感覚を味わいます。つぎはふくらはぎ、太もも、おしり、おなか、両手、腕、肩、最後に顔。下から上へ、体をひとつずつゆるめていきます。リラックス法の中で、いちばん研究が進んでいる方法です。

4-7-8呼吸。 鼻から息を吸いながら、心の中で4秒数えます。息を止めて7秒。口からゆっくり8秒かけて吐きます。これを4回くり返します。大切なのは秒数の正確さではなく、吐く息を吸う息より長く、ゆっくりにすることです。

ボディスキャン。 目を閉じて、足の指に意識を向けます。その温度、重さ、布団にふれているところを感じてください。それからゆっくり、足首、ふくらはぎ、ひざ……と上へ移り、頭のてっぺんまで進みます。何かを変える必要はなく、ひとつずつ感じるだけ。考えごとにそれてしまったら、やさしく意識をもどしましょう。

目を上に向ける。 目を閉じたまま、眉間や頭のてっぺんを見るように、ゆっくり目を上に向けます。数秒そのままにしたら、力を抜いて目をもとにもどし、体がベッドに沈んでいくのを感じます。これを何度かくり返します。リラクゼーションの誘導から生まれた方法で、専門の研究は多くありませんが、体がすぐに静かになると感じる人はたくさんいます。

ある場所を思い浮かべる。 心が落ち着く風景を、頭の中に思い浮かべてみましょう。早朝の茶畑、午後の海辺、小雨の降る森。なるべく細かく想像してください。空気の温度、足もとの感触、遠くの音、ただよってくる香り。こうした想像は、羊を数えるよりも、悩みごとから離れやすいという研究もあります。

認知シャッフル法。 「つき」のようなかんたんな言葉をひとつ決めて、そこから関係のないものを自由に思い浮かべていきます。月見だんご、机、きつね……。ひとつ浮かんだら、頭の中でその姿を少しながめて、次へ。こうしたランダムで意味のないイメージが、脳を少しずつ心配から遠ざけ、眠りに入る直前の状態に近づけてくれます。

「眠らなきゃ」を手放す

不眠でいちばんつらいのは、眠れないことそのものより、眠れないことへのこわさであることが少なくありません。

じつは、眠れなくても、静かに横になって体を休めるだけで、ちゃんと意味があります。一晩や二晩よく眠れなくても、体はたいてい、その後の数日で少しずつ取りもどしていきます。睡眠は、がんばれば手に入るものではありません。つかもうとするほど、遠ざかってしまいます。

だから今夜は、考え方をひとつ変えてみましょう。「絶対に眠らなきゃ」ではなく、「ただ、ゆっくり休もう」と。体が安心して、心もゆるめば、眠りは自然とやってきます。

専門家に相談したほうがいいとき

次のようなときは、医療の専門家に相談してみてください。

  • 不眠が3か月以上続き、昼間の生活にはっきり影響している
  • いびきが大きい、寝ているときに呼吸が止まっていると言われた、起きたときに口の渇きや頭痛がよくある(睡眠時無呼吸症候群が関係している可能性があります)
  • 夜になると脚に言葉にしにくい不快感があり、ずっと動かしたくなって眠れない
  • 気分の落ちこみや不安が続いている、または生活への興味がなくなってきた

相談先には、病院の睡眠外来、心療内科や精神科、CBT-Iの訓練を受けた臨床心理士などがあります。助けを求めるのは弱さではなく、自分をきちんと大切にすることです。

今夜、あなたがゆっくり休めますように。

この記事は一般的な健康情報を紹介するもので、専門的な医療アドバイスに代わるものではありません。睡眠や心身のことで困っている方は、医師や専門家にご相談ください。

参考文献

Qaseem A, et al. Management of Chronic Insomnia Disorder in Adults: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians. Annals of Internal Medicine, 2016. Edinger JD, et al. Behavioral and psychological treatments for chronic insomnia disorder in adults: an AASM clinical practice guideline. Journal of Clinical Sleep Medicine, 2021. Harvey AG, Payne S. The management of unwanted pre-sleep thoughts in insomnia. Behaviour Research and Therapy, 2002.

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