ほんとうの休息って、なんだろう
こんなこと、ありませんか。週末に目覚ましをかけずにたっぷり寝たのに、月曜の朝になってもやる気が出ない。仕事のあとソファに寝ころんで、2時間スマートフォンを見ていたら、起き上がるころにはかえって疲れていた。
私たちはよく、疲れているのは寝不足のせいだと思いがちです。でもときには、休みが足りないのではなく、休み方の方向がちがっていることもあります。
アメリカの内科医サンドラ・ダルトン=スミスは、著書『Sacred Rest』(聖なる休息)の中で、人が疲れるのは体だけではないと書いています。彼女は休息を7つに分けました。疲れの種類がちがえば、いたわり方もちがうのです。
1. 体の休息
いちばんなじみのある休息です。肩や首のこり、腰や背中のだるさ、重いまぶた。どれも、体が「そろそろ止まって」と教えてくれているサインです。
体の休息には2つあります。ひとつは静かな休息。ぐっすり眠る、午後に少しだけ昼寝をする、横になって足を壁にもたせかける。もうひとつは、やさしく体を動かす休息。ストレッチや散歩、ゆっくりしたヨガで、こわばったところをもう一度ゆるめます。
体がほしいのは、ただのぬくもりだけ、ということもあります。お風呂にゆっくりつかる、足湯をする、肩にホットパックをのせる、フェイスパックをする。あるいは、あたたかい飲みものを両手で包んで、手のひらからじんわり広がるぬくもりを感じる。できれば一度マッサージに行って、人をいたわるのが上手な手に、自分をあずけてみてください。
2. 頭の休息
体ではなく、頭の中が疲れていることもあります。ベッドに横になっているのに、考えごとが止まらない。集中できず、小さなことでもずっと考えこんでしまう。
頭に必要なのは、ひと区切りです。仕事中は、ときどき数分だけ席をはなれてみましょう。寝る前には、頭の中でぐるぐるしていることを紙に書き出して、「続きは明日」と自分に言ってあげる。静かに座る、ぼんやりする、やさしい音楽を聴く。どれも、頭の荷物をしばらくおろすための方法です。
3. 心の休息
いつも「大丈夫」と言って、いつも先に人の気持ちを気づかっていると、心の疲れは知らないうちにたまっていきます。
心の休息とは、元気なふりをしなくていいと自分に許すこと。それはハグかもしれないし、あたたかな深い話かもしれない。信頼できる人に「最近ちょっと疲れてるんだ」と正直に話すことかもしれません。まだ口に出せないなら、まず書いてみましょう。心の中のものに、置き場所をつくってあげるのです。
4. 人づきあいの休息
元気をもらえる関係もあれば、エネルギーを使いはたしてしまう関係もあります。会うたびに疲れてしまうなら、人づきあいの休息が必要なのかもしれません。
それは、すべての人から離れるということではありません。安心できて、何も説明しなくていい人たちとの時間を、もう少し増やすということです。古い友だちとお茶を飲む、家族と静かにごはんを食べる。にぎやかな集まりよりも、そんな時間のほうが元気をとりもどせることがあります。
5. 感覚の休息
私たちの目や耳は、毎日たくさんの情報を受けとっています。画面の光、スマートフォンの通知、街の騒音。感覚がずっといっぱいのままだと、なかなか本当に静かにはなれません。
感覚の休息とは、外の世界の音量を少しだけ下げること。通知をオフにして、明かりを暗くし、あたたかな色の灯りをひとつだけ残す。目を閉じて、雨の音や水の音を聴く。考えなくていい紙の本を数ページめくる。お茶をいれて、茶葉がお湯の中でゆっくりひらくのをながめ、その香りをかぐ。感覚を「受けとる」から「感じる」へもどしてあげましょう。
6. 創造力の休息
アイデアが出てこない、何にも興味がわかない。そんなときに必要なのは、創造力の休息かもしれません。
この休息は、美しいものからやってきます。自然の中に出かけて、空や木や海をながめる。美術館に行く、コンサートを聴く。旅に出て、場所を変えて、新しい目で世界を見る。もう一度心が動かされると、心の中の空っぽだった場所が、少しずつ満たされていきます。
7. たましいの休息
最後の休息は、意味についてです。毎日がやることリストだけになると、私たちは、こんなにがんばっているのは何のためなんだろう、と思いはじめます。
たましいの休息とは、自分よりも大きな何かと、もう一度つながっていると感じること。それは瞑想や祈りかもしれないし、誰かのために小さなことをすることかもしれない。あるいはただ、ある朝静かに座って、自分がちゃんと生きていると感じることかもしれません。
あなたは、どの疲れ?
こんど疲れを感じたら、少し立ち止まって、自分に聞いてみてください。
体がだるいのか、それとも頭が止まらないのか。 言えずにいることがあるのか、それとも人と長く一緒にいすぎたのか。 音や映像に囲まれすぎているのか、それとも長いあいだ美しいものにふれていないのか。 それとも、自分がなぜ歩きはじめたのかを、忘れてしまっただけなのか。
答えが見つかれば、自分をどういたわればいいかがわかります。
休むことは、怠けることではありません。自分を少しずつ、とりもどすことです。
あなたに寄りそう一杯
どんな疲れでも、まずは自分のためにお茶を一杯いれてみましょう。お湯が沸くのを待ち、茶葉がひらくのを待つ、その数分のあいだに、休息はもう始まっています。
体が疲れたときに|凍頂オールドソウル OLD SOUL 焙煎のあたたかな香り。両手で包んで、手のひらからじんわり広がるぬくもりを感じてください。多くを語らず、ただそばにいてくれる、古い友だちのようなお茶です。
頭が止まらないときに|ごろごろ金萱 LAZY MEADOW ほのかなミルクの香りで、軽やかで飲みやすいお茶。一杯いれたら、何も考えなくていいと自分に許して、しばらくごろごろしてみましょう。
心が少し疲れたときに|ひと休み貴妃 EASY EMPRESS 蜜のような香りの、やさしい甘さ。急いで元気にならなくていい。まずは、この一杯をゆっくり飲みきって。
静かになりたいときに|一葉の禅 ZEN IN A LEAF 上品な高山の花の香り。一枚の葉がお湯の中でゆっくりひらくのをながめて、感覚を「受けとる」から「感じる」へもどしましょう。